トルスティ大司教から、オーケリエルム大神殿の巫女にならないかと打診され、お爺ちゃんの謎が明かされようとしたその時、何者かが小神殿の扉を吹き飛ばした。


 一瞬エルが助けに来てくれたのかと思ったけれど、私の目の前に現れたのは、一年間安否が分からず心配していた人で──私が会いたいと願っていた人だった。


「──お、おじ……い、ちゃ……?」


「おう! 一年振りだな、サラ。見ない内に随分綺麗になったな! 驚いたぞ!」


 ずっと会いたかったお爺ちゃんの姿を見た途端、今まで我慢していた色んな感情が溢れ出して、私の涙腺が決壊する。


「お、お爺ぢゃ〜〜〜ん!! ゔあぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ん!!」


 どうやら自分が思うより遥かに追い詰められていたらしい。私は泣きながらお爺ちゃんにぎゅっと抱きついた。


「サラには沢山苦労をかけちまって悪かったな。もう大丈夫だからな」


 お爺ちゃんは号泣する私を優しく抱きしめると、よしよしと頭を撫でてくれる。だけどその行為でより一層私は泣いてしまう。


(孤児院の子供達ですらこんなガン泣きなんてした事ないのに……!)