あの時と同じように、タイミング良くエルが来てくれたのだと思った私の頭を、その誰かが優しく撫でた。


(あれ……? エルじゃない……)


 ──私の頭を撫でる大きな手は、小さい頃からずっと変わらない、私が大好きな手で──


「サラ、久しぶりだな。一年間も苦労させてすまなかった。孤児院を守ってくれて有難うな」


 ──ずっと聞きたかった、大好きなお爺ちゃんの声と、優しい瞳の笑顔を見た私の目から、自然と涙が溢れ落ちた。