僕とレオンハルトが仲良くなると、国同士の関係も良好となり貿易も活発となった。サロライネン王国の経済も成長していき、今では商業の盛んな国として著しい発展を見せている。国民の暮らしも豊かになり、帝国との友好な関係は大歓迎されるようになった。


 目覚ましく発展していくサロライネン王国を面白く思わない法国は、今度は宮中の重鎮達を懐柔しアルムストレイム教を国教にしろと迫ってくるようになった。帝国との分断は無駄だと諦めたのだろう。


 その頃の僕には信頼できる仲間達がいて、その誰もがアルムストレイム教に危機感を持っていた。だからアルムストレイム教の国教化を阻止しようと皆で対策を考え、まずは神殿内部の状況を把握しようと、仲間の一人であるヴィクトルを筆頭に何人かの信頼できる人間に王都の神殿本部へ潜入して貰うことになった。


 ──まさかそれがきっかけでサラ──唯一無二の存在に出会うことになるなんて、その時の僕は予想だにしていなかったのだ。