「──そうですね……簡単に説明すれば、ある物質に光が当たった時に特定の波長の光のみが反射します。その光の色が物体の色なんです」


 表情を戻したエルが説明してくれるけれど、簡単にって……自分にはサッパリ分からないのですが……。波長? 何だそれ。


「光が当たると色が分かりますよね。それは光を反射しているからです。ならば光を反射せずに吸収すればどうなるかと言うと、光がない夜と同じように色が分からくなります。そんな訳で、僕の魔法は髪に当たる光を闇魔法で吸収して黒く見せているのです」


「……なるほど? 分かったような分からないような……。まあとにかく光をどうにかして黒く見せてるんだ! 闇魔法って凄い! 何だかカッコいい!!」


 私は心から闇属性を称賛する。まだまだ魔法属性って研究の余地があるんだなぁ。


 そんな私の賞賛の言葉を聞いたエルは、驚いた表情のまま固まってしまっている。きっと神殿関係者から褒められたことがないからびっくりしたのだろう。