だから私は最後に、司祭からもう一度エルの話を聞いてみる事にする。本当はエルの口から直接聞きたかったけれど、そんな事を言っている場合じゃなさそうだ。
「あの、司祭様はエ……あの悪魔の正体をご存知なのですか?」
私の質問を聞いた司祭は目を見開き、驚きの表情を浮かべている。そして私の顔をまじまじと見た。
司祭の珍しいものでも見たようなその視線に、何だかバカにされているような気がしてこんな時なのにイラッとする。
「お前は本当に奴の事を知らんのか……いや、奴が自身の素性を隠していたのか……? 何故そのような真似を……?」
司祭が一人でブツブツと呟いているけれど、一人で納得していないで、いい加減私に説明してくれないだろうか。
……そんな気持ちが伝わったのか、私の無言の訴えに気付いたのか、司祭は「……うむ、仕方がないから教えてやろう」と言って姿勢を正すと、私に向かって告げた。
「お前と懇意にしている、我々が『紅眼の悪魔』と呼んでいた人物は、この──……」



