私はエルを好きだけど、エルは私の事なんて精々良い情報源ぐらいにしか思っていないだろう。……とても悲しい事だけれど。
「まあ、そうだろうな。いくら何でも身分が違い過ぎるからな。流石の奴もその辺は弁えているだろうが……しかし分からん」
司祭はエルの行動が心底理解出来ないらしく、ため息をつくと考え込むように腕を組んだ。
(それにしても身分って……。確かに上級悪魔と普通の人間では釣り合わないけどさ)
司祭の言い回しに何か違和感を感じたけれど、そう言えば何故このような状況になったのか未だに私は説明を受けていないと気が付いた。
「あの、私を司教様に会わせてどうするんですか? そのエ……悪魔と懇意にしているから裁かれるのですか?」
アルムストレイム教は異形の存在を認めていない。今はマシになったとはいえ、亜人達すら排斥しようとしていた時代があったのだ。
だから巫女見習いである私が悪魔と繋がっているなんて知られたら……無事に生きていられないだろう。おそらく形だけの宗教裁判が行われた後、確実に処刑されるはず。



