巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


 それからエリーさんは「また遊びに来るわね。今度はゆっくりお話しましょ」と言うと、少し慌てた様子で孤児院を後にした。きっと忙しいのに無理に時間を作って来てくれたんだろうな、と思うとハンカチだけじゃなく他の物も渡せば良かったな、と後悔する。


(また遊びに来てくれるって言ってたし、それまでに何かお礼を考えておこう)


 私はエリーさんに感謝の気持ちを込めて、エリーさん達の商隊が無事に旅を終えますように、と心から祈った。
 



 * * * * * *




 エリーさんが帰ってから子供達の面倒を見ている内に、あっという間に時間が過ぎて、気が付けば外はすっかり日が暮れて夜になっていた。
 私は子供達に晩御飯を食べさせた後の片付けをしながらこれからの事を考えていた。


(えっと、子供達を寝かせたらすぐに荷物を纏めなきゃいけないよね。エルが来たら色々話したいけど……時間あるかなぁ)


 テオや盗賊達の事と神殿の事、エルの正体の事……聞きたい事はたくさんあるから、今晩は眠れないかもしれないな、と私は徹夜を覚悟する。