巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


 私はエリーさんにそう告げると慌てて部屋に行き、刺繍したハンカチを持って応接室に戻る。


「お待たせしてごめんなさい! これ、私が刺繍したんですけど、良かったら使って貰えませんか?」


 私がそう言ってハンカチを差し出すと、エリーさんは「まあ……!」と目をパチクリさせてハンカチを受け取り、嬉しそうに微笑んでくれた。


「この刺繍、サラちゃんが? すごく素敵……! ありがとう、とても嬉しいわ!」


 エリーさんに渡したのは枝に止まっている青い小鳥を刺繍したハンカチだ。花の刺繍もあしらっていて、エリーさんのイメージにぴったりかなと思う。


「ふふ、この小鳥とても可愛い……あちこちを旅する私と同じね。大切に使わせていただくわ」


 エリーさんはそう言うと、ハンカチを大事そうに鞄に入れてくれた。そんな様子に、ハンカチを気に入ってくれた事が伝わってきて嬉しくなる。