(それにエルは孤児院に何が必要か考えて贈り物をしてくれた。ちゃんと子供達を大切にしてくれている……!! 気に入らないからって子供達を排除するような奴とは大違いだ!!)
「自分の不出来を子供達のせいにしないで!! 自分の事しか考えない人間を誰が好きになるのよ!! 私がテオに靡く事は絶対に無いから!!」
私が断言すると、テオの顔が真っ青になる。それからプルプルと震えだしたかと思うと、今度は顔を真っ赤にして怒り出す。
「お、お前! 俺にそんな事を言ってタダで済むと思っているのか!? 子供達をどうするかは俺が決められるんだぞ!! 謝るなら今の内だっ!! 謝って、俺を好きだと言ったらさっきの言葉は聞かなかった事にしてやる!!」
「……っ!」
やはりテオは子供達を盾に利用するつもりのようだ。実際、今この場面で主導権を握っているのはテオだろう。だからもし私がテオの事を好きだと言って交渉すれば、子供達は解放して貰えるかもしれない。
(どうする……? テオの事は全くこれっぽっちも好きじゃないけれど、言うだけなら大丈夫なのかな……?)



