「……あの、失礼ですが、貴方は神殿の関係者ですよね? 関係ないっていうのは……?」


 もしかして王宮の人の可能性もあるので、念の為確認してみる。法衣を纏っているから、十中八九関係者だろうけど。


「ワシを知らんのか!? この王都を司教区としているバーバリ司教だぞ!? ソリヤはワシの管轄ではないのだから、関係ないのは当たり前ではないか!!」


 ツルッとした人はバーバリ司教と言うらしい。管轄じゃないからって関係ないなんて……! どうしてこんな人が司教なんて位階なのだろう。


「では、ソリヤを担当していらっしゃる方はどなたでしょう? お名前を教えて──」


「うるさいうるさい! 今は誰しも忙しいのだ! 余計な手間をかけさせるのではないわ!」


 バーバリ司教に、ソリヤの街を管轄している人を教えて貰おうとしたけれど、それすらも拒否されてしまう。


「余計なって……! 今のままでは子供達に服すら買ってあげることが出来ません! ベッドの数も足りなくて、子供達は──」


「しつこいしつこい!! 子供なんぞ放って置けば勝手に育っとるわ!! そんな事でワシを引き止めるな!!」