「おーおー! さすが聖女様だ! 自分の事よりガキ共が心配ってか?」
「へへっ、ガキ共は全員別の部屋にいるぜぇ? 今はおねんね中だけどよぉ」
「ガキ共は俺らがちゃあんと面倒見てやっからな! 巫女ちゃんは安心してくれ!」
「おいおい〜! お前のその面見たら安心なんて出来ねーって!」
「ぎゃはは! 違いねぇ。それに面倒見るって何の面倒だよ! 子供らは売りに出すんだろ?」
「……なっ!?」
男達の言葉に驚愕する。私だけでなく、子供達全員が連れて来られているらしい。
私は連れて来られた場所がどこなのか探ろうと、首を動かして部屋中を見渡す。部屋の中は質素な作りで家具なども置いておらず、倉庫のような場所だった。
そして次に男達の様子を見てみるとそれぞれが防具や剣を身に着けていて、一見冒険者のように見える。でもこの町では見たことがない顔ばかりだから、他所から来た流れの盗賊達なのかも知れない。
この街の人達は信仰心が厚くて良い人達ばかりなのだ。そんな皆んなが子供達を誘拐なんてする訳がない。



