巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


「そうそう、王都からソリヤに行く道の途中に廃神殿があったでしょう?」


「はい。雨宿りした場所ですよね。あそこがどうかしたんですか?」


 あの神殿はエルがいた場所だ。そう言えばあの神殿に行けばエルに会えるのかな?


「あの廃神殿、最近崖崩れがあったらしくてね。入り口が塞がれてしまったのよ」


「……えっ!? 崖崩れ……!?」


 エリーさんが教えてくれた話の内容に驚愕する。神殿には信仰される神が宿っていると言われている。


 ──エルを奉っていた神殿が崩れてしまったら、エルは……!!


「エリーさん、その崖崩れがあったのっていつ頃ですか?」


 私はまさかと思いながらエリーさんに質問する。どうか私の考えが間違っていますようにと願いながら。


「えっと確か十日前だったかしら? 話を聞いて近くを通ってみたのだけれど、屋根みたいになっていた岩の部分が無くなっていて驚いたわ」


「……なっ……!?」


 やはり私の予想は当たっていたようで、神殿が崩れた日とエルが現れなくなった日は重なっていた。