郷子目線

「くぉらあ゛あ゛あ゛あ゛!!」

「ひぇぇぇぇぇ!!!」

あーあ、またやらかしちゃった、、。ぬ〜べ〜もカンカンだわ、、、。

元はと言えば、外でソフトボールをしてたら、美樹が変な方法にボールを投げて、職員室の窓を割っちゃったからなのよね、、。

全部が美樹のせいじゃないけど、これで三枚目、、。

「ぬ〜べ〜!本当にごめんなさい!」

広達はさっきのぬ〜べ〜の怒鳴り声で走って逃げて行っちゃったから、私がちゃんと謝らなくちゃ。

「たくっ、いいか?次は無いからな!」

「ええ。気をつけるわ、、。」

"仏の顔も三度まで"なんてことわざがあるけれど、ぬ〜べ〜は次がないように注意をしてくれる。
本当に次がないように気をつけなくちゃ!

「あ、いけない!次は体育だった!」

急いで教室に戻らないと!

「あ、郷子!!」

「みんな心配したんだぜ?!いつまで経っても郷子が戻ってこねえから!!」

「美樹!広!、え?そんなに遅くなかったと思うけど?」

そう言うのは美樹や広だけじゃなく、クラスの皆が私を心配した様子で見ていた。

「何言ってんだよ!お前、もう学校終わっちまったぞ?!」


「え?」

克也の一言を聞き、教室の時計を見ると針が4時を回っていた。

「嘘でしょ?!!なんで?!!」

「こっちがびっくりよ!最初は授業をサボってると思ったけど、なかなか帰って来ないから心配したんだから〜!だけどまあ、そこまで元気なら本当にサボりだったのかもね笑笑笑」

何が起こってるの?

「郷子!お前、あの後どこに行ってたんだ?!探したんだぞ!!」

「ぬ〜べ〜!」

「まさか本当にサボりだったんじゃ、、、。」

「違うわよ!!私はそんな事しないわ!」

時間が飛んだの?一瞬で?いつ?なんで?

「まあ、なんだ!見つかったなら一件落着だな!みんな、探すの手伝ってくれてサンキューな!それじゃあ全員解散!!」

ぬ〜べ〜がそう言うと、皆はほっとしたような顔や、まだ私を心配してくれてるのか、私に視線を送りながらまばらに帰っていく。

「ねえぬ〜べ〜。」

「ん〜?なんだ、まさかまた"妖怪の仕業"なんて言うんじゃないだろうな?安心しろ!特に妖気は感じないし、何も無いって!良い子はさっさと帰った帰ったー。」

嘘よ。だって私、本当にサボってないもの。ぬ〜べ〜に注意されたのが3時間目の休み時間。4時間目には体育があるからと急いで教室へ向かった。
だけど気づいた頃には放課後になってた。その間だけ記憶が無いなんておかしいわ。ぬ〜べ〜ったら、また何か隠してるわね。

だけど、あれ以上聞くのはなんだか怖くて気が引けるから、今日は大人しく帰ろ。