「頼む、これで目を覚ましてくれ」

 ジェラルドは王宮に戻り、大魔女マダムからもらった薬を口移しで飲ませる。
 ごくりと飲んだシェリーは少しずつ呼吸が戻りはじめ、やがて呪いの禍々しい痕跡が消えていく。
 そして、ゆっくりとシェリーはその目を開いた。

「ジェラルド様……?」
「シェリー!!」

 ベッドで眠るシェリーの身体を強く抱きしめるジェラルド。

「私、どうして。呪いは解けた。魔女と大魔女のおかげなんだ」
「え?」
「ああ、すまない。順を追って説明するよ。でも今はこうさせてほしい」

 ジェラルドはシェリーを強く抱きしめて優しく頬をなでる。
 そしてあの時海辺で出来なかったことを……シェリーへの愛情を目いっぱい伝える。

「シェリー」
「はい」
「私はずっと君を愛するよ。何があっても。だから結婚してほしい」
「──っ! ……はい」

 シェリーはジェラルドの首元に腕を回し、そして自身の唇を彼の唇に押し当てた。
 二人は照れながらも何度も愛を囁き合った──