シェリーの兄ブライアンは父親の不正を唆した罪と、そしてジェラルドの殺人未遂で捕縛され、地下牢で一定期間過ごしたのちに処刑される予定だ。
 ジェラルドの父親である元国王は妻である元王妃にこっぴどく叱られたという。

 一方ジェラルドは飴屋のマダムのところへと向かっていた。

「マダム」
「来るのわかってたわ」
「これを預かっております。これでシェリーを……私の愛する人を助けてはもらえないでしょうか?」

 ネックレスをマダムに渡すと、彼女はネックレスを吟味するように眺めて少しため息を吐く。

「あの子にしてはいいものくれたじゃない。いいわ。これを彼女に飲ませなさい」

 そうして渡されたのは、キラキラと輝いた粉薬のようなもの。
 ジェラルドはそれを胸ポケットに大切にしまうと、礼を言う。

「ありがとうございました」
「あの子、大事にするのよ。それと、また飴を買いに来てちょうだい」
「ええ、ぜひ」

 そう言い、ジェラルドはシェリーの待つ王宮へと戻った──