「セドリックがなんとかブライアンの不正関与の証拠をつかんだ。今から兵を送って捕縛する。それでいいか?」
「ええ」

 そう言うとジェラルドはセドリックを呼び込み、ブライアンの捕縛を命じた。

「ありがとう。なら、呪いを解いてあげる」

 魔女はジェラルドのほうに手の平をむけると、光のようなものを放ってジェラルドの呪いを解除する。
 そして魔女はジェラルドにネックレスのようなものを差し出す。

「これは?」
「街の森に近い一角に飴屋がある。そこのマダムにこれを渡しなさい。彼女は私の師匠なのよ」
「魔女なのか……?」
「ふん、魔女というのもおこがましいわ。大魔女、私たちの祖先にあたる人よ。これでなんとかシェリーを呪いから解いてくれるはず。ただし、二度も呪いを受けたシェリーの身体の寿命は少ないはず。覚悟しなさい」
「どれくらい生きられるんだ?」
「わからないわ。今すぐではないのは確かよ」
「覚えておく。私は今度こそ死なせない」
「あなたがシェリーを愛しているのは伝わったわ。幸せにしてちょうだい、シェリーのこと。妹(あの子)のためにも」

 魔女はそう言い残してジェラルドの前から姿を消した──