「シェリーはもともと私の妹の子供で、妹が置いていた魔法道具に誤って触れてしまい呪いを受けた。その時は咄嗟に私が解除したけれど、シェリーは呪いの影響で寿命を半分に減らしてしまった」
「寿命を減らした?」
「ええ、妹は自己嫌悪で自分を殺してその命をシェリーに渡してほしいと願い出た。だから私が彼女を殺してシェリーの命を長引かせたのよ」
「じゃあ、なんで二度目の呪いにかかった?」
「シェリーはある男の子を追いかけて森に入ってきた」
「存在しない弟か?」
「弟……確かにそうかもしれないわね。その男の子はね、私の使い魔よ。その使い魔が暴走して呪いをシェリーに付与してしまった。私はすぐに呪いを解こうとしたけどダメだった」
「じゃあ、どうすれば……」

 魔女は今度は真剣な面持ちでジェラルドに近づいていった。

「あなたはシェリーを心から愛してる?」
「もちろんだ」
「彼女を一生守れる?」
「ああ」
「…………あなたにかけた呪いは今解いてあげる」
「──?!」
「でも一つ条件があるわ」
「条件?」
「シェリーの兄、ブライアンを処刑して」
「なんだって?」
「彼はあなたの失脚を狙って私に呪いをかけさせた。彼はベラと国王の隠し子。つまりあなたの義理の兄よ」

 ジェラルドは驚きで言葉を失う。