「だが」

 ジェラルドはそんなシェリーににこやかに言い放った。

「そんな素直で好奇心旺盛なシェリーが私は愛しいよ」

 その言葉にシェリーならず、横にいたアリシアも思わず顔を赤くしてそっと目を逸らした。
 ジェラルドはそっと自分の席に向かって歩き、そしてメイドにランチを頼んだ。


「お嬢様」
「なに、アリシア」
「陛下は天然の殺し文句製造メーカーですね」
「やめなさい、その言い方は」

 二人はこの日よりジェラルドのことをしばらく『殺し文句陛下』と呼んでいた──