シェリーは泣き崩れ、そしてもう意識はぼうっとしてしてきていた。
 その目は腫れておりそしてもう泣いて身体から水分が抜けて、ベッドに倒れ込むようにして寝転がる。

(水が欲しい……)

 そう思いベッドの横にあるサイドテーブルの上にあるガラス瓶から水をグラスに注ぐ。
 そしてそれをゆっくり飲んで喉を潤していると、部屋の入口のほうから大きな音がしたと同時にシェリー自身に衝撃が伝わってくる。

「──っ!」

 思わずグラスを落としてしまい割れてしまう。
 部屋に大きな音が響き渡るが、それよりもシェリーは自分の目の前が大きな胸板でいっぱいになり驚いた。
 そしてこの甘く落ち着く香りは……。

「ジェラルド様?!」
「シェリー、ごめん。いきなり抱きしめて」

 グラスの破片が飛び散ったことも気にせず、ジェラルドはシェリーを強く抱きしめた。