『君が不幸を呼ぶなんて、むしろ私を不幸にできるものならしてみなさい』

『たくさんぬくもりを感じてほしい』

『私の婚約者になってくれてありがとう』


 シェリーの中で温かい感情が身体を巡って、そしてその後にチクチクした感覚が押し寄せてくる。
 彼女の頬にはもう何筋もの涙の跡がある。

(お願い、もう……苦しいの。これ以上思い出させないで)


『思いっきり今日は楽しもう!』

『二人は夫婦かい?』
『え?!』
『ええ、そうなんですよ。お似合いでしょう?』


(やめてっ!)