カフェでコーヒーを飲み終えた二人は今度は向かいにある小さめの小屋を見つけて入ろうとする。
 その小屋はツタが青い外壁に絡みついており、おとぎ話に出てくるような不思議な雰囲気を漂わせた小屋だった。
 小さな窓にはガラスの綺麗な小物が並べられており、それはシェリーの心を掴む。

「ジェラルド様、ここ素敵ですね」
「ガラス屋か……いや、飴細工のようだね」
「飴細工ですか?」
「ほら、奥に素敵なマダムが作っているのが見える」
「あ、本当ですね。中に入れるのでしょうか?」
「聞いてきてみよう」

 二人は歩みを進め、ドアを開けると、ベルのような音が鳴ってマダムがこちらを見た。

「いらっしゃい」
「こちらは入れますか?」
「ええ、どうぞ。お好きに見て行ってくださいな」
「ありがとう」