「私、街に出たのは久々です」
「誰かとデートしたことはないのか?」
「はい。街でデートはないですね」
「なら私が初めてというわけだ」
「そうですね。ジェラルド様が初めてです」
「では思いっきり今日は楽しもう!」

 シェリーはジェラルドに手を引かれて落ち着いた大人な雰囲気のカフェに入ると、テーブルでコーヒーを二つ頼む。
 頼んだコーヒーが目の前に置かれると、シェリーが怪訝そうな顔でカップを持ち、眺める。