「お嬢様っ!」
「大丈夫よ、少し痛むだけ」
「あの継母……いくらなんでもひどすぎます」
「仕方ないわよ、私はこの家でいらない役立たずだもの」

 シェリーの肩は黒く一部が染まって禍々しく熱を帯びている。
 アリシアはそっとその肩を擦ると、シェリーはわずかに微笑んでアリシアの茶色い髪をした頭を撫でる。

「ありがとう、アリシア」
「私が変わって差し上げられたらいいのに」
「そんな……この『呪い』は不幸になる。アリシアにそんな思いはさせられないわ」

 二人が寄り添って話し合っているところ、またしても扉がバタンと大きな音を立てて開く。
 そこには金髪碧眼の見目麗しい若い男が立っていた。