「よ、読み終わりました……」
「よく頑張りましたね!!!!」

 もはや深夜に差し掛かろうという時間に500ページあった本一冊を何とか読み終えたシェリーは、疲れの余り机に突っ伏してしまう。
 そんな今にも寝そうなシェリーの頭をそっと優しい手が撫でる。

「最初は根をあげるんじゃないかと思ってました。頑張りましたね、シェリー様」
「クラリス先生……」

 シェリーは思わずクラリス先生に抱き着き、そのまま目をつぶって気を失いそうになる。

「おやまあ、陛下をお呼びしましょうか」

 その呟きはシェリーにはもう届かなかった。