「よく来てくれたね、道中は大丈夫だったかい?」
「はい、お迎えの馬車までご手配いただきましてありがとうございました」
「そんなかしこまらないで欲しい。私の事もジェラルドと呼んで」
「ジェラルド様……」

 その声に世の女性たちが虜になるほどのまぶしい笑顔を向けたジェラルドは、シェリーの手をそっと握っていった。

「その呪い、やはり強力なものだね」
「──っ!」

 ジェラルドの顔つきは一気に真剣なものになって、その碧眼はシェリーをぐっと捕らえた──