「シェリー、お前とは婚約破棄させてもらう」
「はい、承知しました」
「いいのか……?」
「ええ、私の『呪い』のせいでしょう?」

 そう言ってシェリーはふかふかの赤色の座り心地の良いソファを立ち上がり、碧眼の瞳は目の前にいる元婚約者を見つめる。

「いままでありがとうございました」

 深々とお辞儀をすると、シェリーはその青碧色の長い髪を靡かせて扉を自分の手で開ける。
 そうして、いつものように玄関のほうへと向かった。



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