東和の姫君。

教室に向かう。

長閑な春だ。

あたしは東和犬子。ぼんやりとした微睡みから目覚めた気分。黒い髪に黒い瞳、茶色のブレザーに藍色のスカート。黒いローファー。

「いぬ子~」

親友、耶麻一葉が呼ぶ。

「耶麻か」
「耶麻だよ~」