「好きだよ」
「え?」
「みかんと同じ位」
「なんだよ、それ。ちなみに
一番好きな果物は?」
「苺」
「こいつ、大人をからかうんじゃないぞ」
「フフフ」
「良かった。やっと笑った」
安堵した顔が近付いて唇が重なった
「痛くないか」と囁きながら
数回合わせた唇は震えていた
彬の所為で誘拐されたけれど
もの凄い早さで助けに来てくれた
叩かれたのは・・・謂わば自業自得のようなもの
それを差し引いても
付き合いを止める材料にはならない
「可愛いな」
髪も、顔も、服でさえも
ひとつずつ褒めて貰えるのは
これまでの付き合いとは違う
「他に何もされなかったか」
「うん」
「気が気じゃなかった
みよのことが心配で」
ギュウと痛いほど抱きしめる彬は
やはり震えていた
「好きだ、大好きだ」
彬の温もりに包まれて
微睡む意識が沈んだ
。
「・・・よ、みよ、起きて」
身体を揺さぶられて目蓋を開くと
間近で心配そうに見つめる彬の顔があった
「・・・寝てた」
「あぁ、疲れたんだろう」
「呼ばれた?」
「ううん。まだ」
タップリ寝た訳ではないけれど
頭はスッキリしている
大きく伸びをした私を起こした彬は
「みよ」と呼んで手を握ったあと
「俺のこと・・・みかんで良いから好きでいてくれるか」
寝落ちする前の話に戻した
「うん」
「苺になれるまで頑張るよ」
一目惚れがどんなものかは分からないけれど
甘やかされることは嫌いじゃない
今回のことは二人の距離を改めて考えることになった
「失礼します
食事の用意ができました」
部屋の外から聞こえた声に
手を繋いで部屋から出た



