私とマーヤちゃんは自分のクラスの教室へと立てこもりました。

念のため、できるだけ音は立てずに……。

静かに、秋葉原刑事の到着を待ちました。


「ねえ、リョーコちゃん。あたし、思ったことがあるの……」


二人で体育座りをしていると、マーヤちゃんが小声で話しかけてきました。


「あのね……。思ったんだけど、サトリってね。もしかして、アミダさまの仲間になることなんじゃないかな」

「どういうこと……?」

「あたし、アミダさまの気持ちになって考えてみたんだ。あくまで、可能性の話だけど……」


マーヤちゃんの仮説は次のようなものでした。

アミダさまがどうしてゴクラクへ人を連れて行くのか。

自分の立場で考えてみれば、それはアミダさまが一人で寂しいからではないかと、そう考えたのです。


「それで、どうせなら友達はやっぱり性格の良い子がいいよね」

「でも、アミダさまは悪い子から先に連れて行くんだよ」

「そう、そこなのよ……。ちょっと変な話なんだけど……」


マーヤちゃんは小さく溜息をつくと、続けて、「リョーコの思う『いちばん嫌な友達』ってどんな子?」と尋ねてきました。


「うーん、どうだろう……。平気で私を裏切るような子かな」

「…………あたしはね。一番迷惑な人って、自分で自分のことを善人だと思ってる人じゃないかって思うの」