秋葉原刑事は去っていきました。

刑事さんの口ぶりからすると、アミダさまの怪談はずっと以前から存在していたようです。

しかし、アオイちゃんの失踪の話をしていたのに、どうしてアミダさまが……


『ナムアミダブツを唱えると、アミダさまが現れてゴクラクに連れていかれる』


私は不意にアミダさまの話を思い出してしまい、ぶるりと身体を震わせました。

もしかして、アオイちゃんの失踪とアミダさまの間には何か関係があるんじゃないか……。

いや、そんなことあるわけない。アミダさまなんて良くある都市伝説に過ぎないはず……。

私とマーヤちゃんは心中に葛藤を抱えながらも帰路に着きました。

家に帰る間も、誰かが私たちの後を追ってくるような……、そんな気味の悪い感覚に囚われて――


まさか、私の背後には、今もアミダさまが…………


振り返ると、後ろにアミダさまがいるんじゃないか…………


そんなありえない妄想に押しつぶされそうになってしまい……。


私はマーヤちゃんと別れた後、後ろも振り返らずに家まで走り、着くとすぐにカギをかけて自室に閉じこもりました。

本当に気味が悪くて――、

なぜ、私はあんな話に加わってしまったのだろう。

どうしてみんなをもっと強く止めなかったのだろう。

そんな後悔の念ばかりが押し寄せてきて――、


気付くと、私はベッドの中で、ぐすぐすと泣いていました。