「な、なるほど……。もしかして私、英雄かもしれないんですね!」
「ふふ、随分可愛い英雄さんね。……でも、何だかそれだけじゃない気がするのよ。何かに妨害されてるような……ティナちゃんって、すごく信心深いのかしら?」
「ええっ?! ど、どうしてですか?!」
「ティナちゃんがすごく神に愛されているような気がしてね。……まあ、私の考えすぎかもしれないけれど」
まだ占って貰っていないのに、それでもズバズバと言い当てるイロナにティナは戦慄する。
これで実際占って貰ったとすると、自分が聖女だったことなんてすぐにバレてしまうだろう。
(別に聖女だったって隠してるわけじゃないけど……。それでも、今のように気さくに接して貰えなくなるのは嫌だな……)
ティナはモルガン一家との今の関係を心地よく感じていた。だから自分のことを打ち明けるのをつい躊躇ってしまう。
聖女としてティナをこの国の人間の誰もが敬い、尊敬し、その功績を賛美した。まるでティナを生き神のように崇拝する人間もいた。
もちろんティナは普通の人間で感情だってある。好き嫌いもはっきりしているし、些細なことで腹を立てる普通の少女だ。
しかし聖女の称号が、その類まれな<神聖力>がティナを普通の少女として認めてくれなかった。
「ふふ、随分可愛い英雄さんね。……でも、何だかそれだけじゃない気がするのよ。何かに妨害されてるような……ティナちゃんって、すごく信心深いのかしら?」
「ええっ?! ど、どうしてですか?!」
「ティナちゃんがすごく神に愛されているような気がしてね。……まあ、私の考えすぎかもしれないけれど」
まだ占って貰っていないのに、それでもズバズバと言い当てるイロナにティナは戦慄する。
これで実際占って貰ったとすると、自分が聖女だったことなんてすぐにバレてしまうだろう。
(別に聖女だったって隠してるわけじゃないけど……。それでも、今のように気さくに接して貰えなくなるのは嫌だな……)
ティナはモルガン一家との今の関係を心地よく感じていた。だから自分のことを打ち明けるのをつい躊躇ってしまう。
聖女としてティナをこの国の人間の誰もが敬い、尊敬し、その功績を賛美した。まるでティナを生き神のように崇拝する人間もいた。
もちろんティナは普通の人間で感情だってある。好き嫌いもはっきりしているし、些細なことで腹を立てる普通の少女だ。
しかし聖女の称号が、その類まれな<神聖力>がティナを普通の少女として認めてくれなかった。



