「……私も、クリスティナ様がそのような方だとは思っていませんでした……! でも、私は本当のことしか言っていません! この聖女の腕輪に掛けて誓います!!」
アンネマリーは腕を出し、クリスティナから引き継いだ腕輪を生徒たちの目の前に掲げた。アンネマリーの魔力に反応しているのか、腕輪に埋め込まれた魔石が淡く光を放つ。
「……おお……! 聖女様……!」
「なんて神々しい……!」
「新しい聖女様だ!」
この国の者たちにとって、聖女の存在は必要不可欠だ。だからその分、聖女は尊敬されているし、国王に匹敵する権力を与えられている。
アンネマリーもフレードリクによって聖女の称号を与えられたものの、神殿から正式に指名されたものではない。
それはいつでも剥奪されるような、砂上の楼閣に過ぎない。
しかしアンネマリーは、クリスティナを聖女に相応しくないと貶め、逆に自分こそが聖女に相応しいのだと、生徒たちに印象づけることに成功した。
この学院は優秀な留学生や奨学生が通っており、将来各国の中枢となる者たちを育成している。
そして影響力がある家門の貴族の子女も在籍している学院の生徒が、アンネマリーを聖女だと認知したこの事実を、神殿は無視出来ないはずだ。
──アンネマリーは心の中でほくそ笑む。
膨大な<神聖力>が籠もった聖女の証に人々の信望と巨大な権力──その全てをクリスティナから奪えたのだと。
アンネマリーは腕を出し、クリスティナから引き継いだ腕輪を生徒たちの目の前に掲げた。アンネマリーの魔力に反応しているのか、腕輪に埋め込まれた魔石が淡く光を放つ。
「……おお……! 聖女様……!」
「なんて神々しい……!」
「新しい聖女様だ!」
この国の者たちにとって、聖女の存在は必要不可欠だ。だからその分、聖女は尊敬されているし、国王に匹敵する権力を与えられている。
アンネマリーもフレードリクによって聖女の称号を与えられたものの、神殿から正式に指名されたものではない。
それはいつでも剥奪されるような、砂上の楼閣に過ぎない。
しかしアンネマリーは、クリスティナを聖女に相応しくないと貶め、逆に自分こそが聖女に相応しいのだと、生徒たちに印象づけることに成功した。
この学院は優秀な留学生や奨学生が通っており、将来各国の中枢となる者たちを育成している。
そして影響力がある家門の貴族の子女も在籍している学院の生徒が、アンネマリーを聖女だと認知したこの事実を、神殿は無視出来ないはずだ。
──アンネマリーは心の中でほくそ笑む。
膨大な<神聖力>が籠もった聖女の証に人々の信望と巨大な権力──その全てをクリスティナから奪えたのだと。



