「……いや、何でもないから……っ! 気にしないで」
ティナの取った行動は、トールの腕に抱きついて人影のない場所へ誘う、というもので、はたから見ればまるで恋人同士の秘め事のようなのだが、当の本人は全く気付いていない。
(……ま、いっか)
トールは自分の存在が、ティナにとってまだベルトルドの足元にも及ばないことを理解している。
今のように腕を組んだり、格好良いと褒めるような言動も、トールをただの級友と思っているからだろう。
でも、それでも──ようやく手に入れた彼女の隣というこの場所を、手放す気は全く無いし、むしろ確実に自分のものにする──と、トールは心の中で意気込むのだった。
ティナの取った行動は、トールの腕に抱きついて人影のない場所へ誘う、というもので、はたから見ればまるで恋人同士の秘め事のようなのだが、当の本人は全く気付いていない。
(……ま、いっか)
トールは自分の存在が、ティナにとってまだベルトルドの足元にも及ばないことを理解している。
今のように腕を組んだり、格好良いと褒めるような言動も、トールをただの級友と思っているからだろう。
でも、それでも──ようやく手に入れた彼女の隣というこの場所を、手放す気は全く無いし、むしろ確実に自分のものにする──と、トールは心の中で意気込むのだった。



