《おや。珍しい魔道具を持っているな》
二人を見送るために、わざわざ起きて来てくれたルーアシェイアが、ティナが持つ魔道具に反応した。
「あ、これ、任意の場所に転移出来る魔道具なんだそうです」
ティナはルーアシェイアに魔道具を渡して見せた。
ルーアシェイアは魔道具を色んな角度から見た後、刻まれている術式をじっくりと見ている。
《ふむ……。座標が森の入り口近くに指定されているな。私の結界に干渉する術式まで……。これはデュノアイエが作った魔道具だな》
「えぇっ?! ルーアシェイア様はノアさんを知っているんですか?!」
ルーアシェイアが術式を解読したのにも驚いたが、ティナはそれよりもルーアシェイアがノアのことを知っていることの方に驚いた。
《うむ。奴とはまぁ、その……因縁があってな。もう何百年か前の話だが》
ノアは精霊を実験しようとして、精霊に嫌われたと言っていた。珍しくルーアシェイアが渋い表情をしているから、その時のことを思い出したのかもしれない。



