「有り難う、トール。大好き……!」
自分がトールにしてあげられることはほとんどない。けれど、せめてトールを想う気持ちだけは、伝え続けたい、とティナは思う。
「えっ、ちょ……っ! ティナ……っ、それ、反則だから……っ」
ティナの綺麗な微笑みと告白のダブル攻撃に、トールはあっけなく撃沈する。
顔と耳を真っ赤にして狼狽えるトールはかなり珍しい。
いつも飄々としているトールの牙城を崩すことが出来て、ティナはやっと一矢報いたと満足する。いつも自分ばっかりが照れさせられていて悔しかったのだ。
「……っ、俺も……っ、俺もティナが大好きだよ」
顔を赤くして照れながらも、トールはティナの想いに答えてくれた。
いつだってトールは真摯に向き合ってくれる。それがティナはすごく嬉しいのだ。
精霊たちが眠りについた湖の周りは静まり返っていて、世界中で目を覚ましているのは二人だけのような、凛とした静寂の中。
月明かりの下、ティナとトールは見つめあった後、そっと触れるだけのキスを交わす。
ただそれだけで、お互いの想いが伝わるような、そんな優しいキスだった。



