「た、確かに……! いや、でも神殿は……っ」
確かに神殿なら月下草の栽培にうってつけかもしれない。
だけどティナは神殿と関わりたくないと今だに思っている。だから無意識に候補から神殿を排除していたのだろう。
「ごめん、ティナにそんな顔させるつもりはなかったんだ。神殿じゃなくても育つ場所はあるから大丈夫だよ。意地悪を言ってごめんね?」
「ほ、本当……? 神殿以外にもあるの?」
「うん、もちろん。それはティナ──君がいる場所だよ」
「え? それってどう言う意味?」
ティナはトールが言った答えの意味がわからなかった。またトールが意地悪を言っているのかとも思ったけれど、トールの表情を見るに、本気でそう思っているようだ。
「そのままの意味だよ。ティナがいる場所ならどこでも月下草を咲かせることが出来るんだ。例えばそう……小さい植木鉢でも王宮の庭園でも、それこそ冒険者ギルドのギルド長室でも、どこでもね」
「え、嘘……っ」
「嘘じゃないよ。ティナは瘴気を浄化できるだろう? それに神聖力を使って結界も作れる。それって、月下草の栽培条件にぴったり当てはまるんじゃないかな?」
「──っ!?」
ティナはトールの言葉に絶句する。
確かに、トールの言う通りティナが神聖力で浄化した後結界を張れば、ティナが許可した者しか結界の中に入ることは出来ないし、瘴気に侵されることなく清浄な空間が維持されるだろう。



