《エーレンフリートと同じ金色の瞳だな。姿形は違えども、確かに彼の血脈だ》

 トールにエーレンフリートの面影を見たルーアシェイアは、何かを思い出すように、懐かしさを噛み締めるように微笑んだ。

 トールの祖先であるエーレンフリートとルーアシェイアがどのように絆を深めていったのか、詳しいことはわかっていない。
 ただ、エーレンフリートを気に入ったルーアシェイアが彼に祝福──金眼を与えたとだけ、記述が残されている。

 だけどエーレンフリートはルーアシェイアにとって、本に書かれている以上に特別な存在だったのではないか、とティナは思う。

 それはきっと、誰も知ることが出来ない、二人だけの物語なのだろう。

 ルーアシェイアとトールの邂逅を見守っていたティナは、トールのそばにいる精霊に気がついた。
 その精霊は小さい女の子の姿の精霊で、青い髪色をしている。
 初めて見る精霊だったが、よく話す三人と同じ雰囲気を持っていた。

(……あれ? もしかして……)

 以前、アウルムはトールのそばに精霊がいると言っていた。きっと、あの青い精霊がそうなのだろう。