ティナは一瞬、自分に都合が良い夢を見ているのでは、と思う。
トールに会いたくて会いたくて、毎日祈るように願っていた望みを、ルーアシェイアが幻を見せることで叶えてくれたのだと思い込もうとした、けれど。
「ティナ!! 会いたかった……っ!!」
切羽詰まった、余裕がない言葉と同時に、ティナはトールに抱きしめられていた。
きつく抱きしめられる感覚と温もり、そして伝わってくる心臓の音に、ティナは夢や幻じゃない、本物のトールがここにいる、とようやく実感出来た。
「……え、トール……? 本当に……?」
きっと今頃、トールは煌びやかな王宮で美しい婚約者の令嬢と共に、優雅にダンスでも踊っているのだろう、とティナは思っていたのだ。
それなのに、目の前にいるトールは王子どころか貴族にも見えないぐらい、ボロボロになっている。
顔を隠すために敢えてボサボサにしていた髪は、強風に煽られたかのように乱れ、羽織っているコートもところどころ汚れていて、まるで戦闘後のようだ。
しばらくして、慌てたトールがティナを抱きしめていた腕を解いた。
トールに会いたくて会いたくて、毎日祈るように願っていた望みを、ルーアシェイアが幻を見せることで叶えてくれたのだと思い込もうとした、けれど。
「ティナ!! 会いたかった……っ!!」
切羽詰まった、余裕がない言葉と同時に、ティナはトールに抱きしめられていた。
きつく抱きしめられる感覚と温もり、そして伝わってくる心臓の音に、ティナは夢や幻じゃない、本物のトールがここにいる、とようやく実感出来た。
「……え、トール……? 本当に……?」
きっと今頃、トールは煌びやかな王宮で美しい婚約者の令嬢と共に、優雅にダンスでも踊っているのだろう、とティナは思っていたのだ。
それなのに、目の前にいるトールは王子どころか貴族にも見えないぐらい、ボロボロになっている。
顔を隠すために敢えてボサボサにしていた髪は、強風に煽られたかのように乱れ、羽織っているコートもところどころ汚れていて、まるで戦闘後のようだ。
しばらくして、慌てたトールがティナを抱きしめていた腕を解いた。



