《大丈夫だよ。こうして私の力が回復したんだ。私と繋がっている精霊たちも徐々に回復していくはずだ》
「……っ、よかった……っ!!」
精霊たちが無事だと聞いたティナは、心の底から安堵した。
もし苦しんでいる精霊がいたら、すぐにでも駆けつけようと本気で思っていたのだ。
そんなティナの意気込みを感じたのか、ルーアシェイアがふわり、と微笑んだ。
輝くような美しさに、ティナは夜なのに眩しさを感じてしまう。
《其方のおかげで今宵、新しい眷属たちが誕生する。一緒に見届けてくれるか?》
「え? 精霊さんが生まれるんですか……? うわぁ……っ!! 是非! 是非ご一緒させてくださいっ!!」
《うむ》
ティナが了承した次の瞬間、ティナたちは精霊樹の前に転移していた。
「──っ、あれ? あれれっ?!」
転移魔法の詠唱も魔法陣もなく、ルーアシェイアは空間移動を実現した。
大精霊ともなると、世界の法則とは関係なく理を曲げることが出来るらしい。