《今宵は皆、随分と楽しそうだな》
月の光が集まって、人の形を成した大精霊ルーアシェイアが、ほぼ一ヶ月ぶりに姿を現した。
前回見たぼんやりとした姿ではなく、はっきりとした美しい姿だ。
ルーアシェイアが持つ長い髪は光り輝く白金色で、瞳は宵闇を映すような深い銀灰色をしている。
ティナはルーアシェイアを見て、その美しさに胸を打たれた。
以前会った時とは比べ物にならないほどの、威圧に似た圧倒的存在感を全身に感じ、ティナの身体が無意識に震えてしまう。
その姿も、声も、何もかもが美しいのだ。
ルーアシェイアが少し動くだけで、その一コマ一コマすべての瞬間が非現実的に感じるほどに。
《ルーアシェイア様!》
《目が醒められたのですね!》
《心配していたんですよ!》
すべての精霊たちが、ルーアシェイアの目覚めに喜んでいるのが伝わってくる。
ティナも精霊たちと一緒に、ルーアシェイアの目覚めを心の底から喜んだ。
《ラーシャルード様の寵愛を受ける者──ティナよ》
「…………ふあっ?! あ、あわゎ、は、はいっ!!」