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トールたちがノアの小屋に辿り着いた次の日、朝早くからトールは出発の準備をしていた。
昨日の夜、散々ワインを飲んでいたノアだったが、朝が早いにも関わらずトールを見送るために起きて来てくれたのだ。
「ノアさん、お世話になりました。とても楽しかったです」
「ふぉっふぉっふぉ。こんなに客人が来るのは初めてじゃったからのう。ワシも楽しくてつい、はしゃぎすぎたわい」
トールは、ただでさえ人が訪れることがない森の奥で、ノアは寂しくないのだろうか、と少し心配になる。
「えっと……今度はティナと一緒に来ますから。だからそれまで待っていてください」
しかし何百年もこの森で過ごしているノアに、そんな心配は無用だろう。彼は自分の意思でこの環境を選んだのだと思うから。
それに、ノアが心配ならティナと一緒に何度でも会いに来ればいいのだ。きっと彼は喜んで迎え入れてくれるはずだ。
「そうさな。嬢ちゃんと坊ちゃんが一緒に来てくれるなら、こんなに嬉しいことはないわいな」
ノアは笑顔でそう言うと、懐から魔石が付いたメダルのようなものを取り出した。



