二人が力を注ぐ光景を見ていた精霊たちが驚きの声を上げる。
 ただでさえ多かったティナたちの魔力量がまた増えていたからだ。



 ──それから時間は流れて、ついに満月の日を迎えた。

 当日の朝、ティナは早く起きて料理の仕込みを頑張っている。精霊たちが実体化した時に備えて、料理をたくさん作っておこうと思ったのだ。

 煮込み料理を作っている間にアウルムをブラッシングし、いつモフられても大丈夫な状態にしておいた。
 料理の仕込みも終わり、軽く火を通せばすぐ食べられるだろう。

 あとは日が沈み、月が出る時を待つばかりだ。