《精霊樹があなたを守ろうとしたのね》
《これ以上力を注ぐと倒れてしまうわ》
《今日はここまでにしましょう。無理は良くないわ》
どうやら精霊樹がティナを心配してくれたらしい。
自身も弱っているのに、ティナを気遣ってくれる精霊樹の優しさにティナは嬉しくなる。
「精霊樹さん、心配してくれて有難うございます」
ティナの言葉を精霊樹が理解できたのかはわからない。けれど、精霊樹の光が温かくて優しいから、ティナの想いはちゃんと伝わっているだろう。
「アウルムも手伝ってくれて有難うね。おかげでとても楽だったよ」
『ほんとー? 次も一緒に手伝うよー!』
ティナを手伝えたのが嬉しかったのだろう、アウルムが尻尾をぶんぶんと振り回している。
「アウルムは本当に可愛いなぁ……!」
アウルムの可愛さに、ティナは思わずアウルムを抱き上げると、頬をすりすりとすり寄せた。ふわふわの毛がとても気持ちいい。
《気持ちよさそうね……》
《私も撫でてみたいわ……》
《しばらくは我慢ね……》
精霊たちの目から見ても、アウルムの毛並みは気持ちよさそうらしい。