とりあえずティナは、精霊王ルーアシェイアが目を覚ます夜まで待つことにした。
その間に食後の片付けをし、生活拠点を決め、テントを設営する。
今回は長く滞在することになるだろうから、快適に過ごせるようにレイアウトを考えなければならない。
ティナは焚き火台から少し離れた場所にテントを立てると、タープを張ってその下にテーブルや椅子を設置した。こう言う時、ベルトルドから貰った装備はとても役に立ってくれる。
「よし! こんな感じかな?」
いつもは閉じているテントの入り口を今回は広げてタープと繋がるようにした。開放感がありながらもプライベート空間が確保できるレイアウトだ。
さらにティナはノアから貰った部屋にあった可愛いクッションを寝床に並べてランプを吊るした。まるで秘密基地のようでワクワクする。
そうしてふと気が付けば、もう日が沈みかけていた。青かった空がだんだん茜色に染まっていき、輝いていた湖面が静かになっていく。
どうやら設営に夢中になっていて、すっかり時間を忘れていたらしい。
「あらら。もうこんな時間。アウルムごめんね、ご飯作るからね」
『大丈夫よー。甘いの食べたからー』
「え? 甘いの?」
『ティナの分もあるよー』
そう言ってアウルムが差し出したのは、紫色をした丸くて小さい実だった。



