月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。

 昔は夜になると人の姿になれた精霊が、今は満月の夜だけしか人間になれないと言う。もしかして昔より精霊たちの力が弱まっているのだろうか、と思うと心配になる。

《最近、ルーアシェイア様がお疲れなの》

《私たちはルーアシェイア様の眷属だから》

《ルーアシェイア様が元気になったら良いけれど》

「最近、お疲れ……」

 最近と言っても精霊の時間感覚は人間のそれと違うので、きっと百年以上も前の話なのだろう。

 精霊たちの話をまとめると、百年以上前からルーアシェイアの力が弱まっていると言う。しかし精霊たちはその理由を知らないらしい。
 詳しい話はルーアシェイア本人に聞くしかない。そんな弱みを精霊王が人間に教えてくれるのかは、わからないけれど。