月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。


《へぇ〜。フローズヴィトニルの子は人間が作ったものでも食べられるのね》

《すごく喜んでるわね。食べるってどんな感じなのかしら?》

《あの料理、すごく神聖力が籠っているみたいね。食べてみたいわ!》

 ティナたちが料理を食べる姿に、精霊たちは興味津々だ。よほど美味しそうなのか、食べてみたいと言い出した。

「えっと、私の料理でよければご馳走させていただきますけど……。どうやって召し上がるんですか?」

 見たところ精霊たちは光の塊だ。ティナやアウルムのように咀嚼することが出来るとは思えない。
 もしかすると、お供えする感じになるのかな……と、ティナは考える。

《次の満月が来たら食べられるわよ!》

《早く人間の姿になりたいわ!》

《すごく楽しみね!》

「えぇっ?! 精霊さんって人間の姿になれるんですか?!」

 精霊たちの言葉にティナはすごく驚いた。

《そうよ。満月の日だけだけどね》

《満月の光が一番力が出るの》

《昔は夜になったら人の姿になれたけれど、今は無理なの》

「……え、無理って……どうしてですか?」