「ルシオラ、魔力の持ち主はまだそこにいるかな?」

《どうやら移動はしていないみたいね。ずっと同じ場所にいるみたいよ》

「そうか……」

 トールは魔力の主がティナじゃないのでは、と思い始めた。ティナならそこに留まらず、移動しているはずだからだ。

 しかし、もしティナではなかったとしても、この森にいること自体その人物が只者ではないことを示している。
 トールはその人物が何者なのか気になってきた。

 そして魔力の気配を感じて三日ほど経った頃、トールとルシオラは森の中に佇む小屋を発見する。