「……うーん、何でも無いってこともないけど、今は静観するしかないかな? トール君のことは私の口からは何も言えないんだ。ごめんね」
ベルトルドの困ったような苦笑いに、ティナは質問の返事を諦めた。
彼がこう言う時は、ギルド長として守秘義務がある場合なのだ。
「大丈夫ですよ。わかりましたから、気にしないで下さい」
ティナはベルトルドの立場を悪くするつもりは毛頭ないので、この部屋で交わされた内容のことは言及しないと決める。
「それよりも……ベルトルドさん、トールの同行を許可してくれて有難うございます」
トールとのやり取りがわからない以上、想像するしか無いが、それでもトールの同行許可は、ベルトルドが自分のために下した決断なのだと──最善策なのだと、ティナは理解して感謝する。
ベルトルドは、そうして自分を心から信頼してくれるティナが可愛くて仕方がない。
ティナが生まれる前から見守ってきたベルトルドにとって、もはやティナは自分の子供のような存在なのだ。
「……はぁ〜〜……。……ティナ、嫌になったらすぐ逃げ帰ってくるんだよ? 良いね? 絶対だよ?」
過保護な自分を自覚しているベルトルドは、それでも娘を嫁に出す気分で、ティナの幸せを願い、送り出すことにしたのだった。
ベルトルドの困ったような苦笑いに、ティナは質問の返事を諦めた。
彼がこう言う時は、ギルド長として守秘義務がある場合なのだ。
「大丈夫ですよ。わかりましたから、気にしないで下さい」
ティナはベルトルドの立場を悪くするつもりは毛頭ないので、この部屋で交わされた内容のことは言及しないと決める。
「それよりも……ベルトルドさん、トールの同行を許可してくれて有難うございます」
トールとのやり取りがわからない以上、想像するしか無いが、それでもトールの同行許可は、ベルトルドが自分のために下した決断なのだと──最善策なのだと、ティナは理解して感謝する。
ベルトルドは、そうして自分を心から信頼してくれるティナが可愛くて仕方がない。
ティナが生まれる前から見守ってきたベルトルドにとって、もはやティナは自分の子供のような存在なのだ。
「……はぁ〜〜……。……ティナ、嫌になったらすぐ逃げ帰ってくるんだよ? 良いね? 絶対だよ?」
過保護な自分を自覚しているベルトルドは、それでも娘を嫁に出す気分で、ティナの幸せを願い、送り出すことにしたのだった。



