黒と藍色が重なったような空には、無数の星が瞬いている。そして空に浮かぶ金色の月は、いつか両親と訪れたイリンイーナで見た月とよく似ていて……。
(……トール)
ティナは無意識に、心の中でトールの名前を呼んだ。
トールは今何をしているのだろう。きっと王位を継承するために忙しいに違いない。そして今頃可愛い婚約者と楽しい時間を過ごしながら夕食を共にして──なんて、想像したティナの胸がズキっと痛む。
(……あーあ。バカだな、私……)
トールを思い出すたびに、色々想像し自分で自分を傷つけている──ティナは毎日、そんなことを繰り返す自分を哀れに思う。
今の生活はとても楽しいしとても心地良い。
だけど自分が思い描く幸せは、トールと一緒に旅をした日々の中にあったのだと、ティナは身に染みて感じている。
『ティナー。どうしたのー? 元気がないのねー』
思わずしんみりしてしまったティナの感情を読み取ったのか、アウルムがティナを心配そうに見上げている。
「ごめんね、何でもないよ。心配してくれてありがとうね」
ティナはアウルムを抱き上げて頭を撫でる。
(……トール)
ティナは無意識に、心の中でトールの名前を呼んだ。
トールは今何をしているのだろう。きっと王位を継承するために忙しいに違いない。そして今頃可愛い婚約者と楽しい時間を過ごしながら夕食を共にして──なんて、想像したティナの胸がズキっと痛む。
(……あーあ。バカだな、私……)
トールを思い出すたびに、色々想像し自分で自分を傷つけている──ティナは毎日、そんなことを繰り返す自分を哀れに思う。
今の生活はとても楽しいしとても心地良い。
だけど自分が思い描く幸せは、トールと一緒に旅をした日々の中にあったのだと、ティナは身に染みて感じている。
『ティナー。どうしたのー? 元気がないのねー』
思わずしんみりしてしまったティナの感情を読み取ったのか、アウルムがティナを心配そうに見上げている。
「ごめんね、何でもないよ。心配してくれてありがとうね」
ティナはアウルムを抱き上げて頭を撫でる。



