「……っ、ぅう……」
かろうじて息がある暗殺者を見つけたトールは、暗殺の依頼主を吐かせようと暗殺者の胸ぐらを掴んで身体を引き起こす。
「お前は──、っ?!」
そして暗殺者に質問しようとした時、何かの気配を感じたトールは咄嗟にその場から飛び退いた。
「ぎゃっ?!」
トールが避けた瞬間、暗殺者のこめかみにナイフが突き刺さる。
絶命した暗殺者からナイフが飛んできた方角へ視線を移したトールの目に、大量の人影が映る。
先ほどの暗殺者達はただトールを足止めするために送られた先遣隊だったらしい。
「……貴方も懲りない人ですね」
トールは自分の暗殺を依頼したであろう主──取り潰しとなった公爵家の元当主へと声をかけた。
「黙れっ!! お前さえいなければ、この国は儂のものになっていたんだっ!!」
公爵家元当主は顔に怒りを滲ませてトールに怒鳴り散らかした。その目は憎悪で血走っており、今にも飛びかかってきそうだ。
「あらゆる暗殺者組織に狙われながら、何故お前はまだ生きている?! お前が死なない限り儂は安息を得られんのだ!!」



